*腹腔鏡下大腸癌手術(日文書)

J403315-476

ISBN

9784260014762

作者/出版社

加納宣康/醫學書院

出版年代/版次

2012/1

NT$ 5,161
數量
庫存不足

重量:1.05kg  頁數:216    裝訂:平裝  開數:29.9*21.3  印刷:彩色


 外科学の基礎は総論にある。それでは,総論とは何かと考えたときに最も大切なことは,「言葉」であるとの結論に至った。手術手技を完全なものとするには,外科手術で使用する言葉の定義から始めなければならない。その上で,手技の基礎となる臨床解剖を理解する必要が生じる。そして,臨床の場での視認に耐えうる臨床解剖でなくてはならない。したがって,言葉の認識が異なっていれば,スタッフ間で共通の基盤を持ちえない。
 2004年2月縁あって,亀田総合病院主任外科部長加納宣康先生から腹腔鏡下大腸手術を導入してほしいとの依頼をもとに,私は亀田総合病院に入職した。それから,はや8年の月日が経過した。
 この間,消化器外科において腹腔鏡下手術はどこの病院でも普通に行われる一般的な手術になり,その術式も適応が拡大され安全性も著しく向上した。特に大腸癌手術においてはその症例数も増加しつつあり,今や腹腔鏡下大腸癌手術は,特殊手術ではなくなりつつある。これに伴い,さまざまな著作物・ビデオが出版され,教育講演なども多く行われている。それらにおいては,腹腔鏡による術野の拡大視により,微細な手術手技が詳細に述べられ,アプローチにおける正しい解剖の認識がこの手術では如何に大切であるかが理解されるようになってきた。これはすなわち,手術手技において筋膜解剖の認識こそが合併症を減らすことにつながると考えられ,臨床解剖学に基づいた術式の再考察が行われるに至っている。
 しかしながら,その臨床解剖の理解には往々にして基本的な概念から離れた考察も多く見られる。臨床解剖学では本来,剥離層を発生学的認識に基づいた筋膜解剖から理解し,手術における最適な層の選択が第一義となるべきであると考える。この一方で,今でも腹腔鏡下大腸癌手術に関する著作や講演に欠如していることは,まさに手術手技そのものに関しての詳細な説明である。すなわち,術者が今まさに行っている手技について,適切な解剖学用語を用いて,誰でも十分に理解しうる説明がなされていないということである。もちろん,今まで腹部手術手技の多くは,術者の経験と勘で行われてきた歴史があり,欧米での手術手技もわが国と同様である。つまり,旧来の系統解剖学から得た血管構築を参考にした外科手術の域をいまだに出ていないのである。外科医にとっての第一歩は人体解剖に熟知することであるが,従来の経験や考えに囚われない,発生学の基礎に基づいた筋膜構成を理解した腹腔鏡下手術を施行できて,はじめて新しい外科医の誕生となる。
 筆者は,腹腔鏡下大腸癌手術の実地・教育において,スタッフとの共通認識のためには,言葉の定義と解剖,特に臨床解剖が重要であると考え,腹腔鏡下大腸癌の手術手技についてマニュアルを作成し,実践してきた。ここに,当院で施行している手技と考え方,そして言葉の定義と臨床解剖について出版して,世の外科医にその重要性を問いたいと考えたのであった。
 本書での手技は,最終的には補助切開を行い,その創からの手技も含むことから,実際には「腹腔鏡補助下大腸癌手術」としたほうがわかりやすいとも考えられる。しかし,その内容の多くは臨床解剖に沿った手技であり,完全腹腔鏡下大腸癌手術も腹腔鏡下手術として呼ばれることが多いことから,すべてを含めての「腹腔鏡下大腸癌手術」と呼称することとした。

 最後に,腹腔鏡下大腸癌手術の実施・指導に関して,大きな心で見守り指導してくださった主任外科部長の加納宣康先生に厚く御礼申しあげます。そして,今は天国にいらっしゃる元癌研究会附属病院外科部長,故 高橋 孝先生にも,本著作を捧げ厚く御礼申しあげます。さらに,日々の手術において一緒に仕事をしてくれている同僚のドクターならびに看護師や技術スタッフの方々にも深く感謝いたします。
 この2年間オリジナルのイラストを作成をしてくださった兄の友人でもある青木出版工房の青木勉氏にも御礼申しあげます。なお,このように仕事に十分に専念できるのは妻 千津子の支えのお陰でもあります。
 今回,書籍刊行の機会を与えてくださった医学書院の伊東隼一氏,編集のサポートをしてくださった川村静雄氏に感謝致します。

 2012年3月 春まだ浅き日に
 亀田総合病院外科  三毛牧夫

目次
基礎編 腹腔鏡下手術で理解しておきたい筋膜の解剖と脈管解剖
はじめに
 I 言葉の定義-剥離,切離と癒合,癒着
  1.剥離と切離の概念
  2.癒合と癒着の相違
  3.腹腔鏡下手術での剥離の考え方
 II 胎生期の腹膜配置・体壁
 III 腸管回転と腹膜
 IV 胃と横行結腸との関与-特に横行結腸中央部での関係
 V 組織学的にみた筋膜の存在
 VI 大腸血管解剖とリンパ節郭清度
  1.右側結腸の血管解剖とリンパ節郭清度
  2.左側結腸の血管解剖とリンパ節郭清度
  3.結腸脾彎曲部の血管解剖
 VII 結腸癌手術術式の種類と定義
 VIII 臍の筋膜解剖とHassonカニューレの挿入の仕方
まとめ
  文献

応用編 腹腔鏡下大腸癌手術の基本
A 腹腔鏡下大腸癌手術アプローチの基本
  1.術中体位
  2.トロッカーの留置位置
  3.小腸移動と体位変換
  4.腹腔内の解剖学的指標の確認と腹腔検索
  文献
B 腹腔鏡下S状結腸切除術
 I 適応
 II 切除範囲,郭清度
 III 病変のマーキング,術前処置
 IV S状結腸に関する基本的事項
 V S状結腸の血管系
 VI 下行結腸,S状結腸とS状結腸窩の筋膜構成
 VII 手術の実際
  1.術中体位の取り方
  2.アプローチの基本
  3.手術の手順
 VIII 筋膜構成をどのように理解するか
  1.腹膜下筋膜深葉
  2.直腸後方の筋膜構成~直腸固有筋膜
  3.内側アプローチの指標
  4.外側アプローチの指標
  文献
C 腹腔鏡下直腸低位前方切除術
 I 適応
 II 切除範囲,郭清度
 III 病変のマーキング,術前処置
 IV S状結腸,直腸の血管解剖
 V 直腸の筋膜構成の基礎
  1.大動脈分岐部のレベル
  2.岬角のレベル
  3.直腸膀胱窩のレベル
  4.側方靱帯のレベル
  5.腹膜下筋膜深葉の最終ラインの尾側のレベル
 VI 手術の実際
  1.術中体位の取り方
  2.アプローチの基本
  3.手術の手順
 VII 腹腔鏡下手術における新たな臨床解剖学の重要性―直腸筋膜の臨床解剖
  1.骨盤内の筋膜構成-直腸固有筋膜
  2.内側アプローチの指標
  文献
D 腹腔鏡下腹会陰式直腸切断術
 I 適応
 II 切除範囲,郭清度
 III ストーマサイトマーキング,術前処置
 IV S状結腸,直腸の血管解剖
 V 直腸の筋膜構成の基礎
 VI 手術の実際
  1.術直前処置
  2.術中体位の取り方
  3.アプローチの基本
  4.手術の手順
 VII 骨盤底筋膜の構成と手術のポイント
  文献
E 腹腔鏡下右側結腸切除術
 I 適応
 II 切除範囲,リンパ節郭清度
 III 病変のマーキング,術前処置
 IV 上腸間膜動静脈系の分岐形態とリンパ節郭清
 V 右側結腸切除術式の定義
 VI 右側結腸の筋膜構成
 VII 手術の実際
  1.術中体位の取り方
  2.アプローチの基本
  3.手術の手順
 VIII 右側結腸部における筋膜の構成
  1.後腹膜アプローチにおける切開・剥離の指標
  2.内側アプローチにおける剥離操作
  3.右側結腸の授動
  文献
F 腹腔鏡下左側結腸切除術
 I 適応
 II 切除範囲,郭清度
 III 病変のマーキング,術前処置
 IV 結腸脾彎曲部の特異的な血管支配
 V 左側結腸切除術式の定義
 VI 横行結腸,下行結腸と結腸脾彎曲部の筋膜構成
 VII 手術の実際
  1.術中体位の取り方
  2.アプローチの基本
  3.手術の手順
 VIII 結腸脾彎曲部の授動のための筋膜構成の理解
  文献
G 腹腔鏡下大腸亜全摘術
 I 適応
 II 切除範囲と郭清度
 III 術前処置
 IV 大腸の血管解剖
 V 大腸の筋膜構成
  1.右側結腸
  2.S状結腸
  3.直腸
  4.脾彎曲部
  5.肝彎曲部
 VI 手術の実際
  1.術中体位の取り方
  2.アプローチの基本
  3.手術の手順
 VII 筋膜構成を理解すれば将来はQOLを備えた腹腔鏡下大腸全摘術も可能に
  文献

欧文索引
和文索引